マグロ度

先日

政府が「国民皆歯科検診」の検討に着手するというニュースを見ました

 

今から約20年ほど前に

市内の某歯科医院K院長先生と

「マグロ度」という指標を考えました

本気で考えて

一応日本看護協会で研究費を頂いて発表しました(笑)

何しろ文章力がなくご指導いただいた大学の先生には大変申し訳なかったのですが

無駄に意気込みだけはあったと自負しております(笑)

 

その頃はまだ介護保険制度がスタートしていませんでした

飲み込むことが難しくなった方で鼻から管が入った状態で退院してきた方が発端です

私たち在宅支援チームは退院後

ご本人が「口からまた食べれるようになりたい」という思いを何とか叶えたくて

主治医とも相談しながらその方法を検討しました

時間はかかりましたがやがてその方の管は外れ

少しずつですが口から食べることができるまでになりました

偶然のケースだったかもしれませんでしたが

ご本人やご家族の努力とチームケアの可能性についてたくさん学びました

 

その時に大変お世話になったのが某歯科医院のK先生で

本当にたくさん口腔ケアや歯科領域のことを教えていただきました

K先生は外来診察の傍ら

自家用車で三沢の国道338号線を何度も往診してくれました

そのおかげで

口腔ケアを行う事で高齢者が元気になれることを経験しました

 

元来 お調子者の私は

この時に勝手に「歯がなければ入れ歯を入れれば元気になれる!」と思い込み

片っ端から対象者を探してはK先生に往診をお願いしました

でも

例えば長く歯がない状態で歯茎で食事をしている方はあごの位置が変わっているため

かなり入れ歯を入れることそのものが苦痛になることを知りませんでした

ですから入れ歯を作っても

途中で本人がその苦痛さであきらめることが多いことも知りました

思っているほど単純なことではないことも学んだのです

 

ただ

本人が「食べたい!」という意欲が強い方はつらくても頑張れるケースもあり

その指標として検討されたのが「マグロ度」でした

つまり

マグロ度の高さは、「食べる意欲が強い」ことを指します

 

発端は、その頃担当していた方が

「マグロを切り身で食べたい」と話されたのでよく聞くと

普段は歯がないので家族が刺身は刻んでいるとのことでした

私は少しけしかけるように

刻んでも切り身でもマグロはマグロじゃないですかと言ってみたのですが

ご本人は「絶対味が違うはずだ!」と言い張ったので

「これは入れ歯を入れるのに耐えられるかも」と考えました

案の定根気強く入れ歯の微調整をしながら

ある日のデイサービスで

「刺身食った!サクで買ってきて!旨かったなあ・・」

と嬉しそうに話してくれました(笑)

 

マグロってごちそうですし

あまり嫌いな人はいないかなあと思い指標にしましたが

要は何でもよかったのかもしれません(笑)

実際

最中のアイスに「歯型」をつけて食べたいと言った方も

最後まで頑張って入れ歯をつけることができました

マグロも最中のアイスもこれまでも食べることはできていましたが

いずれの方も「味が違う」と話していました

 

マグロ度は入れ歯を入れるときの指標でしたが

その頃から既に

歯周病は糖尿病や心臓病・切迫早産などを引き起こすと言われていました

また

口腔ケアを行う事は食べる行為を助けるだけではなく

高齢者の最大の死因の一つである誤嚥性肺炎を予防するために大変重要で

昨今のコロナ感染予防にも大切なものとなっています

 

冒頭の話になりますが

やはり歯科検診を行い自分の歯を守ることは

よい人生のために大切なことなのだと思います

 

ちなみに

その頃子育て中だった私がよくK先生から言われたのは

歯医者さんを「怖いところ」という言い方をしないでほしいという事でした

親が怒るときに

「そんなことしたら歯医者さんに連れていくよ!」と引き合いに出すと

よっぽど治療が必要にならなければ

行きたい場所にならないからです

大人になったみなさんは

歯医者さんにどんなイメージをお持ちですか?

「キーン!!」という音をイメージして怖がっていませんか?(笑)

 

理想は痛みを伴う治療が必要な時だけ歯医者さんに行くのではなく

定期的に診てもらってメンテナンスを受ける場所にしてほしいとのことでした

わが子もよく歯医者さんでシールをたくさんもらっていましたから

どちらかというと歯科受診は好きな方だと思います

今子育て中の親御さんは

是非歯医者さんは「楽しいところ」と言い聞かせることで

将来子どもさんが怖がらずに受診を継続できれば

元気で長生きできるかもしれませんよ

言葉がけが将来の子どもさんへの大きなプレゼントになる・・かも(笑)

 

とはいえ私たち大人世代は

仕事が忙しいと歯のトラブルがない限り歯科検診を躊躇してしまいがちです

今回の政府の検討のように促されれば

且ついくらかでも経済的支援があれば受診しやすいかもしれませんね

 

いくつになっても自分の歯で嚙んで食べることは

本当に幸せなことかもしれません・・

 

オランダではありません(笑)

岩手県の軽米町のダム近くにあります

 

先日は大雨になったので

職場のお昼ご飯はみんなでお好み焼きを食べました

三沢は長いもの産地なので

小麦粉と水は少なめで長いもマシマシで作りました!

 

 

 

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